2019/06/03
季節は、蒸し暑い日が続く梅雨へと移ろうとしています。体調を崩しやすくなる季節でもあります。今のうちに暑さに負けない体を作っておくことで、東南アジアと同じように酷暑となる日本の夏を乗り切りましょう。
5月はことのほか暑い日があり熱中症を発症される方が出てきました。今はまだ身体が熱さに慣れていないため熱中症にかかりやすい時期と言われています。
しかし、寒さや暑さに慣れるまでにはある程度期間が必要になります。この期間は、年齢に比例して長くなると言われていますので、高齢者では1か月程度はかかるそうです。
また、日常生活では、エアコンを使用することが多くなり、暑さへの対応力が落ちているようです。夏本番で夏バテや熱中症ならないように、今から体調を整えて、酷暑に備えたいものです。
夏バテや熱中症対策のコツは以下の3点です。
①汗腺を増やす
②バランスの良い食事
③適度な睡眠
(1)早歩きやジョギングで汗腺増やす
人が体温を下げる仕組みの一つに、汗をかくがあります。汗が蒸発する際に熱を奪う気化熱によって体温を下げるわけです。
しかし、 運動不足や冷房に頼りすぎて汗をかく機会が減ると、汗を作る汗腺が退化してしまい暑くても汗が出ない「無汗症」になり、体温が下がりにくくなります。これが夏バテや熱中症につながります。
ここで大事なのが運動です。1日30分程度の早歩きのウォーキングやジョギングなど少しきつめの運動を繰り返すことで、汗腺が再び増えます。
晴れた日は屋外でのウォーキングやジョギングで、雨の日は、室内で階段の上り下りやスクワットなどの軽い筋トレで汗をかくことが大切です。
運動をした時間に比例して効果があり、運動をやめると効果がなくなりますので、週に3日程度の運動を1か月以上続けてください。
汗腺が増え、発汗量が増えるとミネラルも体外に出るので、水分だけでなくミネラルも補給してください。暑さに体が慣れてくれば、汗の量も適度に調節されるようになり熱中症や夏バテ対策に有効です。
(2)バランスの良い食事を食べて体温を一定に保つ
食事は、夏バテ予防に最も大切です。
スタミナを付けようと肉に偏ったり、さっぱりした麺類ばかりになったりすると逆効果になります。3食とも栄養バランスの良いものを食べて体温を一定に保つことが大切です。
冷房で体の外が冷やされ、アイスクリームやジュースなど冷えたものを飲食すると体の中も冷やされます。体が冷えると胃腸の機能が低下して消化吸収が悪くなり、体力を消耗してしまいます。食欲も減退し、エネルギーを十分に取り込めない悪循環に陥ります。
冷たいものを食べる前に温かいものを食べると胃腸の冷えを軽減できます。また、唐辛子やカレー、生姜などを食材に取り入れると胃腸の冷えを軽減できます。
朝食を食べて体温を上げることも大切なポイントです。ご飯やパンの炭水化物と魚や卵、肉などのたんぱく質をとることが大切です。炭水化物をエネルギーに変えるには、豚肉や豆類、玄米などに含まれるビタミンB1が欠かせません。また、タマネギやニンニクを一緒に食べると疲労回復の効果が継続します。
野菜は、老化の原因となる活性酸素を防ぐβカロテンやビタミンCなどが含まれているので、水を飲んで胃腸を冷やさずに水分を補給できます。
汗で失われたミネラル分の補給には、無脂肪や低脂肪の牛乳がお薦めです。無脂肪や低脂肪だと悪玉コレステロールの増加を防げる効果があります。1日の500ミリ・リットルを目安に飲んでください。
(3)適度な睡眠は、寝始めてから3時間がカギ
疲労回復には質の良い睡眠が欠かせません。
朝日を30分浴びると、目覚めをすっきりさせるホルモン「セロトニン」が脳内に分泌される。セロトニンは、肉や魚、卵などのたんぱく質からも合成されるため、朝食でとると、日中の活動が活発になります。
人の体内では、暗くなるとセロトニンから変化した、眠りを誘うホルモン「メラトニン」が分泌されます。
人は徐々に眠りが深くなり、1時間かけて一番深いノンレム睡眠になり、そこから1時間かけて浅い眠りのレム睡眠に移ります。眠っている間、ノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返し、最初の3時間の途中で目が覚めたりすると、熟睡感が得られず、疲れが残ってしまいます。
適度な睡眠は「寝始めから3時間でぐっすり眠れるかがカギ」だということです。
楽に眠るコツは、寝る2、3時間前に軽めの運動をしたり、入浴ではぬるめの湯につかったりして、いったん体温を上げます。人は体温が下がる時に自然に眠りに入ることができるといわれていますので、眠る2・3時間前に体温を上げることが効果的です。
ただし、寝酒は深い睡眠を妨げます。交感神経を刺激して脳を覚醒させてしまうため、寝る1時間前にはパソコンやスマートフォンを見るのを止めましょう。
暑さで寝苦しい時は、エアコンや扇風機の風が直接当たらないようにして、3、4時間で電源が切れるようタイマー設定するとよいでしょう。
熱帯よりも高温多湿の日本の夏を健康的に過ごせるように、今から準備しましょう。
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